ARIA GrandFinale

※ネタバレ注意
本記事はARIA原作・月刊ウンディーネ6・TV版最終エピソードに関してのネタバレ要素を多分に含む記事です。
まだ当該内容についてご存じない方はこの記事をお読みにならないことをお奨めします。




























































































ARIA The ORIGINATION 13話「その 新しいはじまりに…」

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と言うわけで遂に迎えた最終回…。
眠い目をこすりながら意地で生で見ました。
既に原作を読んでいるから結末は知ってます。
しかし映像で見るとなるとやっぱり違った感覚が…
最初から作画が超絶神懸かってるし……………
スタッフ気合い入りまくりなのがビリビリ伝わってきます。
灯里がアリシアの居ないARIAカンパニーに不安を覚え、涙するシーン。
アリシアが戻ってきたときの灯里が見せる、憂いに満ちた表情が心を刺し、そして葉月絵理乃さんの戸惑いに満ちた表現が一気に情感を高ぶらせて…
原作見ないでこの映像見てたら確実に号泣ですね。
何度見てもじわぁっと来ちゃいます。


アリシアのわがままで灯里がプリマウンディーネになれなかったという告白。
このエピソードについては批判があるのも事実です。
【ARIA】アリシア結婚、灯里ヤンデレ、キモオタ発狂\(^o^)/オワタ
しかし、これも1つの展開としては認めざるを得なかったのではないでしょうか。
ARIAがいつまでも灯里たちのプリマ昇格を目指す話でエンドレスループしていては着地点が見えてこない。
いつかはこの時が来る。
アリシアのわがまま。
それだけで片付けても良いのかもしれない。
でも、灯里にだって不安があった。
二人にとっていつまでも続くかのように見えていた暖かな時間の流れ。
でも決してそれは永遠ではなくて。


アリシアさん…私も……色んな事がいっぺんに起こって、どれも本当に幸せで、とても嬉しいことなのに…。」
「時間も場所も、移り変わっていくものだって分かっていたつもりだったのに、心の根っこではずっと不安で怖くって。ごめんなさい…」
「一緒に歩いている時は、みんな同じ道を歩いているように感じていたけれど、本当はみんなそれぞれ違う、自分だけの道を歩いているんですよね。私は…私の道を歩いてきて、AQUAに来て、アリシアさんに、みんなに出会えて…。私、この道の先に待っている、みんなの素敵な未来に出会いたいです。だから、アリシアさんのことも笑顔でお見送りしなくっちゃ。」
満面の笑顔。
微笑み返すアリシア
「…ありがとう、灯里ちゃん。」
重ねていた手が離れる………


灯里の静かな決意。
その気持ちが灯里を、アリシアを、巣立ちへと導いていく。
アリスの飛び級昇格という出来事がきっかけとなって動き出した歯車。
いつこの時が来てもおかしくはなかった。
離れてしまう事への恐怖、プリマ昇格への焦り。
それはアリシアだけが抱えていたわけではなかった。
灯里だって同じ思いを抱いていた。
アリシアの、遅すぎた決断への罪悪感…。
しかし灯里はしっかりと現実を見据え、未来への「始まり」を、希望を持って迎え入れた。


灯里に救われた思いです。
しっかりと成長した姿を見せてくれました。
もうこの言葉だけで十分です、自分にとっては。


重ねていた手が離れる描写で後半エピソードへ。
…もう駄目押しです。
これぞ佐藤監督絵コンテの真骨頂、「泣きの佐藤」。
ゾクゾク来ますね、この1カットだけで……ドンだけ神なんだこの人はマジで…


後半冒頭、庵野波平さん(郵便屋のおじさん)*1をプリマ昇格後初めての予約客として乗せるエピソードの後に、原作にはない独自展開。
月刊ウンディーネ6に載っていたアリシア引退セレモニーを最後の最後に映像化というメディアミックス。
コレには正直ビックリしました。
スタッフ流石すぎる!!!!!
シングル「スピラーレ」のカップリング曲「横顔-acoustic version-」を12話の灯里プリマ昇格エピソードに引き続いて採用。
原作補完に関しては最後の最後まで素晴らしかったです。


そして最後。
アニメ1期シリーズOP曲「ウンディーネ」に載せて灯里の各キャラクター近況紹介。
ここは原作に忠実に再現。
特に圧巻はアリシアの微笑みでしょうね。
原作12巻162ページと映像がうり二つ。
アリシアファンは全員死ねと言わんばかりの強烈さwww
水の妖精降臨ですよ。
…スタッフロール中に見つけた「キャラクターデザイン協力:天野こずえ」は伊達じゃない。


エンディング。
原作では存在しなかった、アニメ版だけのオリジナルキャラクター「アイ」がなんとARIAカンパニーの新入社員として入ってくるというビックリ展開。
子供から少女へ成長したアイ。
そして髪の毛が伸び、ショートヘアーからポニーテールへと変化した灯里の姿。
………正直言います、これで完全に目が覚めましたよ。
コレは俺に死ねと言いたいのかスタッフは!!!!!!
どっちも可愛すぎてもう駄目だ。


そして最後のカットは…
あ・り・が・と・う
の5文字。


その台詞を言うのはこっちですよ。
アニメ版スタッフ、そして原作の天野先生、本当に長い間お疲れ様でした。
自分がこの作品を知ったのは本当に最近の話ですが、こんなにも「素晴らしい」と思える作品は今まで無かったと思います。
原作の素晴らしさは言うに及ばず、原作に忠実でありながら完璧なまでの理解力で独自展開をした、佐藤監督を始めとするアニメ版スタッフには心からの拍手を送りたいです。
作品が完結して一抹の寂しさはありますが、灯里にとっての「始まり」を見守っていこう……今はそんな気持ちです。


精神的に疲弊していて、若干投げやり的だった自分にとってこの作品に出会ったことは、大きな変化を自分の中で生み出しました。
今がある素晴らしさ、当たり前の素晴らしさ、回りくどいことの素晴らしさ、見慣れた景色の素晴らしさ…
色んな、色んな「素敵」に満ちあふれている今に気づかされました。
数々の「素敵」な台詞に心動かされ、考え方が、物事の捉え方が「素敵」に変わっていく自分を感じていた…
そんな3ヶ月*2だった気がします。
「だけど何でだろう 不思議なくらい不安はない 感じる 大丈夫」*3
灯里の成長を見届けながら、いつの間にか自分の心境の変化を一緒に見届けていました。


mixiコミュで支援していただいたモリソンさん、橙星さんにもこの場を借りて感謝申し上げます。
月刊ウンディーネ復刊に関しても、アルマさんさんを始めとする皆さんのご協力で動き始めました。
ありがとう御座います。
そしてこの作品を教えてくれた相方にも、ありがとうを伝えたいです。


皆さん本当に、本当にありがとう。















「はじまりの風が、あなたにとどきますように…」

*1:AQUA第1巻一番最初に登場した人物の名前を最終エピソードで知るという灯里も凄い

*2:アニメ第3期シリーズ期間

*3:原作12巻Navigation58「遙かなる蒼」80P 灯里の台詞より